先手角交換四間飛車対策 4手目1四歩③ 端歩交換型相振り飛車(馬が消える変化)

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前回は、この端歩を取ってしまうと先手がいきなり敗勢に陥ることがわかりました。よって、先手はこの端歩を取らずに2八銀と備えるのが最善です。8三の歩を取っているので歩損にはなりません。

 

図からの指し手②

▲2八銀△1六歩(第1図)

 

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後手はなにはともあれ取り込み。先手の手はいろいろありそうですが、ここで先手は8三の馬が働いていないので、ひきつける順から考えてみます。

 

第1図からの指し手①

▲5六馬△2六歩▲同歩△同飛▲2七歩△5六飛▲同歩△2六歩(第2図)

 

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後手は引きつけられた馬をあっさり飛車と刺し違えて、なおも2六歩と追及していくのが面白い指し方で、局面は既に終盤とも思える状態です。

 

第2図からの指し手①

▲2六同歩△1七歩成▲同香△2七歩▲同銀△1七香成▲同桂△2九角(第3図)

 

 

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独自の研究手順ですが、我ながら激しすぎる変化です。しかし、ソフトにかけてみるとここまでで後手やや有利。(-350点ほど)一見無理攻めですが、これが通ってしまえば後手完勝です。この角を取るか取らないかの検討をしてみます。まずは取らない変化。

 

第3図からの指し手①

▲2八玉△4七角成(第4図)

 

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私は本などにありがちな有力な変化を「これは後手十分」などと打ち切ってしまうスタイルが嫌いなので、どの変化も可能な限り見ていきたいので、分岐が非常に多くなってしまいますがお付き合いお願いします。

ここで、一度3八金と締まっておくか、飛車を打ち込んで反撃の味を見せるかでさらに分岐していきます。まずは金を締めておく変化から。

 

第4図からの指し手①

▲3八金△5七馬▲1一飛△2七角成▲同玉△6八馬▲同金△2九飛(第5図)

 

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激しく、激しく。途中△2七角成に金で応じるのは4八飛があるのでここまで一直線。後手は攻め切れるでしょうか。

 

第5図からの指し手①

▲3六玉△3五銀▲4七玉△4四香▲5七玉△5九飛成▲5八金△4六銀▲6六玉△5八龍(結果図)

 

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3六玉と逃げだすのは自然に追いながら駒をぼろぼろ取れるので後手はっきり勝ち。この変化はなさそうです。

 

第5図からの指し手②

▲2八角△8九飛成▲2一飛成△3二銀打▲1二竜△8八龍(結果図)

 

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なさそうな順から潰していっているので申し訳ないですが、角合いも自然にボロボロ駒を取っていって後手優勢気を付けたいのは3二銀を打たないで銀を取ると3三角で終了してしまうことくらいでしょうか。

 

第5図からの指し手③

▲1八玉△8九飛成▲2一飛成△4九竜▲3九香△3五桂(結果図)

 

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1八玉には桂を取ってから銀を取らず4九に戻ってくるのが厳しく、結果図は後手勝勢。

 

第5図からの指し手④

▲2八香△4九飛成▲2一飛成△1八銀▲同玉△3八龍▲1六角△3九龍(結果図)

 

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手を尽くしても後手からの攻めが細いようでずっとうるさく、先手勝てない形勢。後手玉は意外と耐性のある形をしています。

 

第5図からの指し手⑤

▲2八金△8九飛成▲2一飛成△3二銀打▲1一龍△8八龍(結果図)

 

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持ち駒を温存してはじく展開も同様に桂を拾って手堅く銀を投入してから駒を拾えば、後手相当負けない形勢でしょう。最後は上部に活路を求める手です。

 

第5図からの指し手⑥

▲1六玉△3二銀(結果図)

 

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これのみあっさりとした手順で申し訳ありませんが、桂取りをじっと防いで評価値はー650ほど。こんなサイトを見ているマニアックな皆さんならしっかり勝ち切れるはずです(笑)。実際、玉の安定度もかなり差があるので相当勝ちやすいはずです。よって△2九角を取らない変化で、▲3八金と一度締まるのは先手負けという結論で締めたいと思います。長々とありがとうございました。

 

次回に続きます。